雇用時は「試験」「試用期間」を設けよう!

採用後に「違うな」と感じることは少なくないでしょう。
そこで、採用時には「試験」「試用期間」をあらかじめ設けることをおすすめします。
【記事内容】
1)モンスター社員の事例:カインズ従業員が商品をぶん投げて陳列する動画が拡散・・人手不足→甘やかし進行
※ビジネスジャーナル2024.10.05記事全文
2)モンスター社員対策:「試験」&試用期間のすすめ
カインズ従業員が商品をぶん投げて陳列する動画が拡散・・
人手不足→あまやかし進行

Business Journal編集部
社員の問題行動~モンスター社員が増えている現状について
※2024.10.05記事より抜粋
ホームセンター「カインズ」の従業員が商品をぶん投げて陳列する様子を収めた動画がSNS上で拡散されている。カインズは10月4日付「J-CASTニュース」記事の取材に対し事実を認めているが、ある外食チェーン関係者は「人手不足の深刻化による従業員の採用基準の緩和と“甘やかし”で、従業員の問題行為が増えている」と嘆く。
計239店舗(3月1日現在)を展開するカインズは、国内ホームセンター市場では店舗数ベースでコメリ、DCM、ホームセンターナフコ、ホームセンターコーナンに次ぐ5位。DIY用品、建築資材・部品や工具、ガーデニング・園芸用品に加えキッチン、バス・ランドリーなど各種生活用品、アウトドア用品、家具、家電、洗剤やトイレットペーパーなどの日用品、ペット用品、ベビー用品、医薬品、カー用品、物置、食品など、“ないものはない”というくらい豊富な品揃えで人気のチェーン。自社で開発する便利で低価格なプライベートブランド(PB)商品にも力を入れており、売上高に占めるPB商品の比率は約4割に上るという(2023年12月9日付日本経済新聞記事より)。DIYを体験できる「カインズ工房」、リフォームの相談窓口が設けられた店舗もある。運営会社のカインズは「ベイシア」「ワークマン」「ハンズ」などを擁するベイシアグループの中核企業だ。
そんなカインズをめぐる動画が今、SNS上で物議を醸している。あるアルバイト従業員が商品をぶん投げ、それを受け取った別の従業員が陳列していく様子を収めた動画だが、前出「J-CASTニュース」記事によれば23年11月にある店舗で撮影されたものだという。
従業員が悪ふざけ行為や問題行為をはたらき、その動画や写真をSNS上に投稿するケースは以前から起きていた。13年にはコンビニエンスストア「ローソン」の従業員が店内の冷蔵ケースの中に横たわる様子を撮影した写真をSNS上に投稿。これがバイトテロという言葉が世に定着するきっかけとなり、最近では今年2月、「しゃぶ葉」の従業員が口の中にホイップクリームを流し込む動画を撮影し投稿。同月には「ドミノ・ピザ」の従業員が鼻の穴に指を入れ、その指をピザ生地に入れる動画を投稿していた。
そうしたアルバイト従業員の問題行為について、最近は質の変化がみられると外食チェーン関係者は指摘する。
「今の10~20代はSNS利用のリスクに敏感なため、よほどリテラシーが低い人でない限り、自らの問題行為をSNS上に投稿するということはしないようになっています。その一方、かつてバイトテロとされる行為をする人はそれが悪い行為だということを認識してやっていたと思われますが、最近は悪い行為だという認識がないままにやってしまっている従業員が増えていると感じます。たとえば、明らかなミスをしても悪いという認識がなく、それゆえに謝罪の言葉を口にしなかったり、食べ物に触れる容器や調理器具が床に落ちて、洗浄せずにそのまま使ったり、レジの操作でわからくなり、お客さんに何も言わずにその場から離れて他の店員を呼びに行ったり、レジでお客さんを目の前にして無表情で『あっ!』『どうしますか?』と言ったり、これまでもそうした問題のある従業員というのは一定数いるものでしたが、明らかに増えています。
今回のカインズの動画も、映っている2人の従業員は楽しそうに笑っており、商品を放り投げるという行為が悪いという認識すらなく、単に楽しかったから投稿したのではないでしょうか」
別の外食チェーン関係者はいう。
「明らかにお客に聞こえるほどの大声でおしゃべりをするアルバイト従業員が増えました。お客さんからちょっとしたクレームを受けても、何を言われているのかよくわからないという表情を浮かべて『申し訳ございません』の一言が言えなかったり、一回クレームを言われただけで辞めてしまう人も増えています。以前であれば一部の問題が目立つ従業員に注意すれば済んでいましたが、今がみんながみんなそういう感じなので、どうすべきか解が見つかりません。特に今は人手不足でバイトやパートを確保するのが大変なので、厳しく言って辞められると困りますし、パワハラだと騒がれると面倒なことになるので“甘やかし気味”になってしまいます。また、以前では面接の段階で落としていたレベルの人でも採用せざるを得なくなっており、そうした採用基準の緩和も接客サービスの質の低下に拍車をかけている面もあるでしょう。カスハラという言葉が浸透したことで、従業員側の意識も『クレームを言う客のほうが悪い』というふうに変わってきている点も影響していると感じます」
採用基準の緩和による問題は、介護の現場でも起きているという。
「介護業界の人手不足は本当に深刻で、一般企業の間で初任給の引き上げ競争やホワイト企業化のPR合戦が進行していることも影響して、介護の専門学校や大学の専門学科を卒業しても一般企業に就職する人が増えています。年間の採用人数としては日本人よりも外国人技能実習生のほうが多いという施設は、もはや当たり前になっています。介護施設の場合、法律で『職員が何人いなければならない』という人員基準が定められており、運営継続のためには絶対に人数を確保しなければならず、また介護報酬が決まっているので、ものすごく高い給与を設定することもできないため、採用環境は一般企業よりシビアです。なので、これまでだと不採用としていたレベルの人まで雇わざるを得ず、勤務態度に問題があっても厳しく注意することもできず、そういう職員がいることで職場全体の人間関係や空気が悪化してしまうということも起きています。さすがに介護施設で職員が問題行為をスマホで撮影してSNSにアップするという話はあまり聞きませんが、実態は以前より確実に悪化しています」
採用基準の緩和による問題は、介護の現場でも起きているという。
「介護業界の人手不足は本当に深刻で、一般企業の間で初任給の引き上げ競争やホワイト企業化のPR合戦が進行していることも影響して、介護の専門学校や大学の専門学科を卒業しても一般企業に就職する人が増えています。年間の採用人数としては日本人よりも外国人技能実習生のほうが多いという施設は、もはや当たり前になっています。介護施設の場合、法律で『職員が何人いなければならない』という人員基準が定められており、運営継続のためには絶対に人数を確保しなければならず、また介護報酬が決まっているので、ものすごく高い給与を設定することもできないため、採用環境は一般企業よりシビアです。なので、これまでだと不採用としていたレベルの人まで雇わざるを得ず、勤務態度に問題があっても厳しく注意することもできず、そういう職員がいることで職場全体の人間関係や空気が悪化してしまうということも起きています。さすがに介護施設で職員が問題行為をスマホで撮影してSNSにアップするという話はあまり聞きませんが、実態は以前より確実に悪化しています」
(文=Business Journal編集部)
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/company/post_383935.html
「試験」&試用期間のすすめ

●内容要約
・面談時は「試験」を行うべし
・試用期間とは、企業が社員としての適性を判断するための期間
・長さは1~6カ月が一般的で、最長でも1年程度
・試用期間中でも企業は正当な理由がない限り、簡単に解雇できない
・試用期間中と本採用の待遇は基本的に同じ。異なる場合はそれぞれの労働条件を明示する
・試用期間中に退職はできる。通常の退職手続きと流れは同じ
**********
ちなみに最初から本採用を前提として試用期間を設けた場合、従業員は試用期間終了と同時に自動的に正社員として雇用されるもの、と認識しやすいです。
しかし、試用期間中は契約社員としての雇用であることと、適性がない場合は契約終了として正規雇用を見送る旨を伝えておけば、この誤認識を防ぎやすくなります。試用期間と正社員の違いは、試用期間中は契約社員として雇用されていること、正社員として雇用契約を結んだ後は正社員の身分に変動がないことです。
試用期間は、入社後に一定期間を設けて、正社員として雇用する前に適性や能力を見極める期間です。試用期間中は正社員としての通常業務を行うため、業務への適性や遂行能力を評価します。
企業が試用期間を導入する場合、就業規則や労働契約書(雇用契約書)に、試用期間についての内容を明記することが定められています。
葬儀社の場合、業務内容が「死と向き合う」という特殊なものであるので、試用期間は応募者にとって理解しやすいかと思います。募集広告では
・試用期間がある場合は、その旨をハッキリ明記する
・試用期間中の給与が変わる場合は、その旨を明記する
・「研修期間」「見習期間」が実質的な「試用期間」になっている場合は、その期間が本採用の保留につながっている制度であることを明記する
ことが必要になります。
●試験について
今後の葬儀スタッフは、人柄や社会的常識のほか、PCの基本的な操作などのスキルも必須です。
面談の他、以下のような試験を30~50分で行うと良いでしょう。
・PCスキルチェック
・一般常識テスト
・画像を物語化する想像力テスト
・折り紙を用いた器用さテスト
・感動体験を語ってもらう共感力テスト
●試用期間の長さ
試用期間が設けられる際は、長期的な雇用契約が前提となります。期間の長さについては労働基準法などで明確な定めはありませんが、1〜6カ月が一般的で、最長でも1年程度のケースが多くなっています。
●試用期間の目的
昨今では、早ければ面接1回で内定が決まることもあります。
しかしながら、短過ぎる選考期間で適性を見極めることは難しいというのが企業の本音です。そのため試用期間を設けて、どの程度の適性があるのかを見極めようとする企業も多くあります。
●研修期間との違い
一方、研修期間とは、実務に関する具体的な指導を受けたり、訓練したりする期間です。必要な知識を覚えたり技術を学んだりすることで、一人前の仕事をこなせるようになることを目的としています。
●試用期間中の解雇
正当な理由として挙げられるのは、経歴詐称、勤務態度の悪さ、出勤不良などです。「何となく合わない」「期待していた能力ではない」などはもちろん不当な理由となるため、解雇することはできません。
ただし、試用期間が始まってから14日以内であれば、企業はいずれの義務も果たさなくて良いという例外があります(労基法第21条)。
●試用期間の延長
試用期間は、当初取り決めた日程よりも延びるケースがあります。
ただし、いかなる事情があっても企業側が一方的に判断することは認められず、本人との合意が取れていることが大前提です。
●試用期間中の待遇
試用期間中と本採用の待遇は基本的に同じです。仮に試用期間中の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合は、企業は試用期間中と本採用後それぞれの労働条件を明示することと定められています。
●試用期間中の「社会保険」「残業代」の扱いは?
社会保険がなかったり残業代が支払われなかったりすることは、試用期間中であっても違法です。
試用期間中も労働契約は締結されている状態なので、企業側は一部の短時間労働者を除いた従業員を各種社会保険に加入させる義務があります。
なお給与額に関しては、試用期間中と本採用とで異なる金額を提示する場合があります。その時は、各都道府県の最低賃金を下回っていないかを確認してください。残業代ももちろん支払われます(研修期間中も同様です)
●試用期間中の有給休暇の取得要件「6ヵ月」の扱い
試用期間は、有給休暇の取得要件である6カ月の勤務期間に含まれます。労働基準法では6カ月の勤務期間において、全労働日の8割以上出勤した場合に有給休暇が付与されることとされています。そのため、試用期間中でもこの基準を満たしていれば有給休暇を取得することが可能となります。
試用期間と退職勧奨

企業文化や仕事内容、チームとの相性など、仕事には実際に働いてみなければ分からないことが多く、働いてもらった結果「イメージと違った」と感じることもあるでしょう。
企業側は正当な理由がない限り簡単に解雇はできません。「想像していた活躍じゃない」はもちろん不当な理由です。正当な理由として、過去に裁判で認められた解雇の具体例をいくつか挙げます。
・出勤率が90%に満たない
・3回以上の無断欠勤
・勤務態度が悪く、何度指摘しても改善されない
・協調性を欠く言動・行動があり、社員として不適格
・経歴詐称があった
経歴詐称以外の理由は、雇った企業側にも、教育・指導する義務があります。上記の理由があったとしても、いきなり解雇することはできません。企業側が十分に教育・指導を行ったかが重要なポイントになります。
退職勧奨について詳しくは、企業法務の法律相談に詳しい「咲くやこの花法律事務所」のホームページを参照ください。
https://kigyobengo.com/media/useful/288.html
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